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「現代の名工」が日本の美意識を大胆かつ繊細に表現。 独自の透かし彫り装飾を施した「メカニカル彫金限定モデル」

セイコー<クレドール>より、「メカニカル彫金限定モデル」2機種が2015年4月24日(金)より発売されます。希望小売価格は13,000,000円+税、数量はえんじ色、青色の限定各1本です。


  <クレドール>は、日本人の感性と精緻を極めた技術により、豊かな個性を持つ高級ドレスウオッチのシリーズとして1974年に誕生しました。フランス語で「黄金の頂き(CRETE D’OR)」を意味するその名前に相応しく、ムーブメントから細かな部品のひとつひとつに至るまで、厳選された素材に名工の技術を注ぎ込み、その美しさと品質を守り続けています。


  今回発売される「メカニカル彫金限定モデル」は、<クレドール>がその歴史の中で培ってきた高度な彫金技法を駆使し、美しく緻密な透かし彫り装飾を施したモデルです。ムーブメントは、クレドールを代表する薄型メカニカルムーブメント「キャリバー 6890」を搭載し、クレドールの精緻な美しさを象徴するモデルに仕上げました。

■「日出づる国 日本」をテーマに、日本独自の美意識を体現


  彫金師の高度な透かし彫りの技法を用いて、日本独自の美意識を大胆かつ繊細に表現しています。この装飾は、セイコーが誇る彫金師・照井清(てるいきよし)監修の下で、緻密な作業を重ねて製作し、高い工芸価値を備えた特別なモデルに仕上げています。また、彫金の美を最大限に引き出すデザインは、2014年時計デザイナーとして初の「現代の名工」表彰を受けた、小杉修弘(こすぎのぶひろ)が手掛けています。

<ダイヤルデザイン>


  美しく繊細に輝く唐草文様の透かし彫りを施したパーツを、ダイヤル(文字盤)中央部の白蝶貝の上に二段重ね、生命力あふれる唐草を立体的に表現しています。最細部では幅がわずか0.4mm程度の透かし彫りの唐草に面取りを施し、さらに唐草の曲線に合わせて中央に溝を彫りこむことで、時計の動きとともに美しく輝くよう仕上げています。唐草文様は蔓草(つるくさ)の蔓が絡み合って曲線を描く日本古来の文様で、途切れることなく蔓を伸ばしていくことから「生命力」「繁栄」のシンボルと捉えられています。


  ダイヤル外周部には、「日出づる国 日本」の象徴である朝日をイメージした、深みのあるえんじ色の七宝製のリング型パーツを配し、その上にピンクゴールド色の唐草文様の透かし彫りパーツを重ねています。 最上層部には、ローマ数字を透かし彫りしたパーツをレイアウトし、大胆なローマ数字の奥に繊細な唐草文様が見えることで豊かな奥行き感を創出しています。


<ムーブメント>


  クレドールを代表する極薄型メカニカルムーブメント「キャリバー 6890」を搭載し、その組立からケーシングまでを、セイコーが擁する熟練の組立師・桜田守(さくらだまもる)が行っています。


  68系ムーブメント(※1)は国産最高級ドレスウオッチのために、時計としての高精度のみならず工芸的な価値、美しさを追求し、足かけ4年の年月をかけ1969年に誕生しました。厚さはわずか1.98mm(500円玉程度)と極薄ながら、時計の実用的な機能性を高いレベルで確保した画期的なムーブメントとして、1970年代を中心にクレドールおよびセイコーの多くの高級機械式時計に搭載されました。


  1.98mmという薄さゆえ、68系ムーブメント搭載製品は、雫石高級時計工房(※2)において、高度な技能を有する時計師が一貫して組立・調整からケーシングまで手掛けています。一つ一つの部品の形状補正やアガキ(部品と部品の間に必要な隙間)調整には100分の1mm単位の精度が求められるため、時計師の手先の感覚のみで最終的な仕上げを行います。68系は、一人の熟練時計師が一日にわずか1個から2個しか組み立てられない、少量生産の手組みムーブメントです。


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