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ロマン溢れる腕時計の世界。エルメスのクリエイションにキミの感性が試される?

ブランドや技術への理解さえ凌駕する、圧倒的なクリエイション。その最たるものが、天体の動き、壮大な宇宙をテーマとしたものだ。腕時計という小さな箱の中に広がるとても詩的な世界。溢れるロマンにキミの感性は大きく揺さぶられるはずだ。

腕時計という小宇宙
人類が初めて月面に降り立ってから50年を迎えた。当時のドキュメンタリーからは、宇宙に馳せたロマンティシズムや熱いチャレンジスピリッツが甦る。しかし偉業は気宇壮大な夢の実現だけではなかった。

それに先立つアポロ8号で宇宙飛行士ウィリアム・アンダースが予定になかった撮影をした。対象は宇宙に浮かぶ地球であり、のちに「アースライズ(地球の出)」として発表され、世界的な注目を集めたのだ。漆黒に浮かんだ地球は、青く美しく、あまりにも繊細だ。それを見た誰もが皆、地球をひとつの生命圏と捉え、自分たちの住む世界や日々の暮らしに目を向け、反戦や環境保護へと意識を改革したのである。

腕時計は小宇宙ともいわれる。数多くの歯車が共存し、天空の動きのように調和する。そんなマイクロコスモスの世界は、自分だけの時にもつながっている。その深遠さに男は魅せられ、ロマンを感じるのだろう。

だからこそ、壮大な宇宙を腕元に収めた発想力や表現力の高さに感嘆を禁じ得ない。持ち主の感性を試すような芸術的なクリエイション。そんな時計に目をやるたびに、我々は今一度自分自身を振り返るのだ。

HERMÈS
エルメス/アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ


世界限定100本。K18WGケース、43mm径、自動巻き。320万円/エルメスジャポン 03-3569-3300
ふたつの月に照らされて尽きない男のロマンを感じる
ブリッジでつながれたふたつのインダイヤルは59日間で1周し、北と南の半球から見える月の満ち欠けを再現する、独創的なムーンフェイズ機構。時間とカレンダーを示すそれぞれのインダイヤルは、自転により常に上下を正位置に維持することで、視認性を損ねることはない。

文字盤には隕石のメテオライトを採用し、壮大な宇宙とのつながりを感じさせるのだ。そして上方の南半休から見える月には、馬具商をルーツとするメゾンらしく、カレ(スカーフ)にも描かれるペガサスのシルエットを秘かに忍ばせる。これもまたエルメスらしいロマンを感じさせる意匠だ。