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より複雑で豪華な腕時計は、最終的にはスイスを救うことになった。

 HODINKEEはこれから数週間にわたって、5つのパートに分かれたストーリーのシリーズを展開する。テーマは、これらの4つの革命と、それらが腕時計業界に与えた影響だ。パート1では、クォーツ革命が世界の時計事情を一変させ、パワーバランスを極東に移行させると共に、時計の機能やスタイルに対する消費者の認識を変え、スイス第3位の輸出産業をほぼ壊滅させた経緯について考察する。

 パート2では、スウォッチ、フォッシル、ゲスが主導したファッションウォッチ革命が、クォーツ革命の軌道を劇的に変化させた経緯について考察する。この革命により、業界の焦点は時計の内部から外部へ、また新技術から新たな時計の美学へと移行し、日本勢の前進が阻まれた。時計の外観やマーケティング手法を再定義することにより、数十億ドル規模の時計カテゴリーが生まれたのだ。


LEDウォッチの時代は、業界の歴史の中でも異色だった。

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 1990年代に起きた機械式時計の反革命運動(パート3)は、技術史上、最もあり得ない復活現象のひとつとなった。HODINKEEコミュニティーの皆さんであればよく知っているとおり、スイスの古典的な時計製作技術に反映されている創造性、小型機械式時計の極小化、そしてブランドマーケティングの工夫が、機械式時計が本質的に伴う時代遅れの感覚を美徳へと転化させたのだ。カチカチと音がする機械式時計は熱心な信者を増やし、コレクターの収集対象となり、贅沢品に変わった。これにより、苦境に陥っていたスイスの時計業界が復活し、1000ドルを超す時計の市場で他の追随を許さない存在となった。

 アップルが主導する現在進行中のスマートウォッチ革命(パート4)の影響をいま評価するのはまだ早いが、それは大規模なものになる可能性がある。そのルーツは、SFファンタジー作品「ディック・トレイシー」の腕時計と、1982年のセイコー テレビウォッチのような多機能デジタルウォッチの時代にまで遡る。この後、多種多様なリストコンピューターが、一定の間隔を置いて生まれてきた。アップルウォッチの誕生によって、このトレンドはかつてないほどに加速している。次は何が登場するのだろうか?


スマートウォッチの長期的な影響については、まだ非常に未知数な面がある。

 このシリーズの最後の記事では、これまで見過ごされてきたクォーツウォッチ革命の魅力的な部分に焦点を当てたい。つまり、アメリカの半導体企業の役割についてである。我々はここ数十年にわたって、クォーツ対機械式、日本製対スイス製の戦いが繰り広げられるのを見てきた。ここで見失っているのは、デジタル対アナログの戦いという側面である。クォーツウォッチの最初の大波は、概ね伝統的な時計業界の外部からやってきた。これらの波とは、テキサス・インスツルメンツ、ナショナルセミコンダクタ―、モトローラ、ヒューレット・パッカードやその他の数多くのアメリカのエレクトロニクス企業が製作したソリッドステート型(すなわち、動く部品がない)デジタルウォッチのことだ。こうした企業は、クォーツ革命の最も急進的な面を体現していた。機械式時計だけではなく、全てのアナログウォッチを駆逐したのだ。彼らの初期の成功により、アメリカの時計メーカーの復活への期待が大いに高まったのだが、それは実現しなかった。我々は、その理由を調べていく。

 私にとっては、こうした革命は、現在の幅広くて素晴らしい、そして時に奇抜な時計の世界を理解、評価、称賛するための基礎を提供してくれるものなのだ。このシリーズの第1回目は週明け早々に掲載される。ぜひ期待していただきたい。

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